「私のお気に入りの曲。優しい音」と拙い動画にイギリス拠点の数名が親切なコメントをくれた。住宅事情でクラシックギターをしっかり鳴らせなかったけれど。そのうちのひとりは中国出身のビジュアル・アーティスト、フェイイ・ウェンさんだった。シャネル・ネクサス・ホールで開かれた昨年の二人展の印象を僕は改めて伝えた。「フェイイさんの掛け軸のようなフォーマットのアイデアを思い出します。掛け軸は、東アジアの(特に日本では)忘れられがちなトラディショナルなもの、西洋ではオルタナティブなものに映るでしょう。中国の宣紙も使われてるんですね」。フェイイさんは改まって丁寧な返信をくれた。その中では中国人アーティストとして日本では難しいと感じることにも触れられていた。交流を続けましょう、というお言葉に是非と思う。フェイイさんはイギリスの大英図書館でデジタイザーのお仕事をされている。パッパッパーラ、パッパーラパッパ、Bandcampのフェイイさんの曲も好きだけど。
Alternative / Experimental music:
Sun Drawings by Richard Higginbottom
インスタグラムのストーリーズに投稿したクラシックギターの動画は、イギリスのRichard Higginbottom氏には伝わったらいいなと思って録ったものだった。彼はメトロポリタン大学アートコース講師、写真家、インディペンデント・パブリッシャーの創始者で、昨年から新たに音楽プロジェクトも始めた。その際に僕は彼に伝えた。「昔、僕もそれを(TASCAMの8トラックMTR)使ってたよ」。すると彼は言った。「これを? ほんとかよ」。口先ではいくらでも言えるので、ある種の証拠を示したかった。それを喜んでくれた。ピアノとその他の鍵盤楽器は似て非なるもの。同様にギターを弾けると言ってもクラシックギターを弾けるとは限らない。典型的かもしれないが僕はセブンスコードとナインスの音が好きなので、その響きが含まれる選曲をした。そんな旧来のクラシックギターやピアノやテープを用いて、先駆的で実験的な楽曲を制作する彼に敬意を払うつもりで。