Ecosophy + Social sculpture

What Makes a Lake? Tracing Movement’ by Another Earth. Félix Guattari’s notion of ‘ecosophy’ (ecology + philosophy) and Joseph Beuys’s notion of ‘social sculpture’. It seemed to me that the aims of ‘What Makes a Lake? Tracing Movement’ overlapped with these philosophies.

「この本どう思う?」。四月頃、アメリカとカナダ拠点のインディペンデント・パブリッシャーAnother Earthから ‘What Makes a Lake? Tracing Movement’ の掲載者に向けてPDF原稿が配布されたとき、ケンタッキー州在住の写真家Kalie KrauseさんからDMを貰った。「ちょっとすごいと思わない? 私、びっくりしたんだけど」。「完全に同意する」と僕は返信した。その頃、メディアアートのキュレーター/批評家、多摩美術大学・東京造形大学客員教授、武蔵野美術大学・情報科学芸術大学院大学非常勤講師、四方幸子先生の書籍『Ecosophic Art』が出版されて、僕はそれを読み耽っていた。フランスの哲学者フェリックス・ガタリが提唱したEcosophy (Ecology + Philosophy)、ドイツのアーティストで思想家ヨーゼフ・ボイスが提唱した社会彫刻、四方先生が提起されている環境的無意識と情報フローの概念も ‘What Makes a Lake?’ の主旨に多少重なり合う気がした。Kalieさんの返信に僕は付け加えた。「プロジェクトの主旨、掲載者達、ブックデザイン、編集、それと意義あるリサーチ。まるで皆がそれぞれの国でフィールドワークしたみたいだ」。「Completely!!」とKalieさんは言った。「すべての水辺が繋がってる。私もこのコレクションには意義があると思うの!」

 

Ecosophic Art’ by media art curator / critic Yukiko Shikata. Her concepts of ‘environmental unconsciousness’ and ‘information flow’. I shared ‘What Makes a Lake?’ PDF with Professor Shikata-san.

‘What Makes a Lake?’ はあくまで冊子媒体で、インタラクティブ・アートなどではないけれど、東京蔵前のコマーシャルギャラリーiwao galleryの磯辺加代子さんを通じて、そのPDF原稿を四方先生にシェアして頂きました(磯辺さんと、事例を含めてご返信を頂いた四方先生に感謝申し上げます)。Another Earthチームからも、ガタリやボイスの思想を絡めて「私たちがこのプラットフォームに取り組み、アーティストとコラボレーションしている主な理由のひとつです」との回答を頂いた(Richard Erdman Studiosのディレクターでもある創始者Abbey Meakerさんは文化人類学や自然環境に関するリサーチをArtist Fieldで、Another Earthはその出版部門として運営されている)。近年、日本のビジネス界でもSDGsやサステイナビリティが謳われる中、先述の思想や概念は地球規模で捉えるところからブレイクダウンすることで意義が生まれるとも思うので、国境を跨いだアートの分野から環境問題についての考察を社会に促す手法は理にかなっているように思えるし、このようなプロジェクトは未来に向けた社会貢献にもつながるのではないかなと少なからず期待する (*)。

*日本の同様なプラットフォームで思い浮かべるのは「自然との共生」をテーマに、彫刻、文芸、絵画、写真、ビデオアート他、全世界からアーティストをキュレーションしているロンドン芸術大学ご出身で名古屋拠点の澤田奈々さんとエリオット・ヘイグ氏によるThe Liminal Voice