Work in progress: Handmade book

Making a handmade book | The Wall (1’37”) メイキング動画

和製本チャレンジ。恥ずかしいけれどビデオは本の試作過程、本の全容は後日投稿します。徳川秀忠の江戸時代、江戸城の城壁に石材を供給していた神奈川県真鶴岬の採石場に関する写真シリーズ「The Wall」を江戸時代の製本スタイルのように和紙+四つ目綴じ(和綴じ)で自家製本しています。

拙いですが、表紙と裏表紙は着物の重ね着や重ね衿からヒントを得て、Less is moreやわびさびのような誇張しないアクセントのつもりで、日本の伝統色が施された美濃和紙をドイツ装のようにボール紙に貼り合わせています。白黒写真をプリントした用紙は阿波和紙。今回使用したのは展示などよりも製本に合いそうな、白すぎず非常に手触りの良い、麻が漉き込まれているもの。江戸時代、江戸城の近くの八丁堀には阿波徳島藩の江戸屋敷があったそうで、徳川幕府は徳島藩に阿波和紙の産業化を命じたらしい。父の故郷は高松と徳島、母の故郷は東京下町(江戸城の城下町)、自分自身は東京出身の神奈川育ち。この本には間接的に自分のルーツを重ねつつ、江戸=徳川家の家紋のモチーフとなった日本固有種の双葉葵という植物の写真だけは、消えゆく絶滅危惧種なので、シルクスクリーン印刷ふうの加工を施して具象性を薄めています。

参考文献: 『配色事典 応用編』和田三造、『江戸 平安時代から家康の建設へ』齋藤慎一、小説『隅田川暮色』芝木好子

 

Custom frame design

at newton frames (@newton_frames) / noie.cc
L: Pigment print by Ph.D. Sandra Köstler-san
R: HANDS by Valentine Editions

小と大。ひとつはドイツからの頂きもので片面にホワイトスペースが設けられた二つ折りの一点もの。もうひとつは自分も掲載されているニュースペーパーフォーマット(サイズ)の作品集。どちらも見開きで飾ることを考えて、過去に額装相談で伺ったプロラボや専門店ではなく、額装するメディアに合わせてオルタナティブな印象を感じられるようなカスタムショップを探し、目黒のnewton frames / noie.cc extentの額装相談会に参加。担当スタッフさんの他、ショップのスタッフの方々は色々なアイデアを提示してくれた。まずは手触りの良い薄いマット紙で印刷品質も高いユニークなニュースプリント。これでいきましょうと仮決定したフレーム仕様に、イギリスの発行元Valentine Editions、SERCHIA Galleryのクリスティーンさんは画面越しに絵文字の羅列ですぐに反応してくれた。「それよ、それ!ナイス!もう、泣ける、ありがとう!」、多少意訳にすぎるかもしれないけれど。スタッフさんからのご提案はアッシュ材、奥行きを持たせたボックスフレームのように。奇遇にもSERCHIA Galleryのトップページで表示される見開き額装のフレーム仕様と余白以外は同じだったのだ (Link)。一方、ドイツのサンドラさんは「あの小さな作品を額装してくれるの?」とメッセージをくれた。「いつか会えたら、日本の楮(こうぞ)紙にプリントした大きな作品も差し上げます」。スタッフさんからのご提案は輪郭を影で描くような浮かし額装だった。手を動かしながらご教示頂いたちょっとしたセオリーも、それを飾るために空間や部屋を整えてバランスを図ることも、クリスティーンさんが運営しているもうひとつのプラットフォームの文言のように思えた。私たちにとって最も重要な関係性に関するデザインワーク。