Column: Covid Pictures

コロナウィルスによるパンデミック、欧米各国がロックダウンされて以降、イタリアのある写真家はケミカルを取り寄せてC-41カラーネガの自家現像を始めた。C-41の自家現像なんてすごいね!とメッセージを送ったら、前からやってるんだけど今は家から出られないから丁度良いと思って、と返答があった。2008年頃に自分もC-41自家現像をしていたので、ISO感度に関係なく高温処理で3分15秒というのを思い出して懐かしくなった。アメリカ・ニューヨークのネイチャーを愛する女性写真家は、家の窓から見える景色をスマートフォンで録画してインスタグラムのストーリーに動画投稿していた。美しい風景、安全に過ごして、とメッセージを送ったら即返答があり、直後に静止画をフィードに投稿していた。しばらくこんな投稿が続くかも?と書き添えてあった。ロックダウン中の不可抗力な状況下でも今しか出来ないことを彼らは共有していると思った。

 

Aint-Bad Magazineのエディタだったアメリカ・オレゴン州のJennifer Timmer Trailさんが、パンデミック下の世界中の写真をアーカイブしようというプロジェクト、Covid Picturesを創設された。その主旨を尋ねるとジェニファーさんはこのように答えてくれた。「私は9.11アメリカ同時多発テロ発生時にニューヨークにいました。あのとき、あらゆる写真を収集している機関があったことを思い出したのです。そして私は3.11の東日本大震災もよく覚えています。日本の友人の葬儀に行きたかったのだけれど行くことが出来なかったの!」。

アーカイブとは何か、ということを僕はもう一度考えた。それはずっと先の将来で役立つものかもしれない。ニュース報道のために報道機関がアーカイブを利用したり、将来、学者や研究者がリサーチに用いるために国や人種などある特定条件でアーカイブから写真(データ)を抽出したり、あるいは人類が経験した困難とそのときの各国の状況についてキュレーターやエディタが出版物制作のために優れた作品をアーカイブから抽出することなどが考えられるかもしれない。アーカイブ制作に参加協力することは社会貢献でもあるように思った。特にコロナウィルスによるパンデミックは世界で起きていることで日本固有の問題ではない。日本の写真をCovid Picturesにサブミットしてアーカイブしておいて頂き、後年、世界各国から収集されたそのアーカイブ・データを客観的に見られることを自分は願おうと思います。そう出来るときには、この世界的危機が収束しているはずという希望。

2020年3月末、桜が咲く中で珍しく雪が降った日、年齢は違えど自分と同じ誕生日の志村けんさんがコロナウィルスによって他界された | Spring snow (Mar.29.2020) from the series “Wintertag” | Covid Pictures Archive 1-250