Alec Soth “Gathered Leaves”

Alec Soth “Gathered Leaves” | Kanagawa MoMA, Hayama

三浦半島や城ヶ島に向かう途中、過去数えきれないほど車でその前を通り過ぎていたけれど、公共交通機関を利用してそこに向かうのは初めてだった。海に面したロケーション、会期中にもう一度、葉山の県立近代美術館に足を運んでしまうと思う。マグナムフォト・メンバー、アレック・ソス日本初個展。

写真集出版されている各シリーズも、そこに含まれる単写真も、印刷物や画面を通じて何度も目にしてきた中、引き伸ばされた展示作品の圧倒的な存在感、大判8×10の解像感にはため息が漏れるほどだった。展示コンセプトやテーマはもとより、一点一点、寄っては離れて、ディテールも見られるのは展示ならではとも思う。

 

zineのように小さな展覧会図録もミュージアムショップで販売されていた。図録でも掲載作品数は少なく、インタビューや解説など主にテキストの読み物となっていた。手触りの良い紙で文庫本のように収まりが良く、帰路の東海道線でその図録を読み耽っていたら、美術館主任キュレーターからアレック・ソスへの質問の中にはドイツの画家フリードリヒの名も出てきた。

Caspar David Friedrich (1774-1840) を教えてくれたのはイギリスの翻訳家ご夫妻だった。初めて画集を手に入れたとき、欧米の写真家達のランドスケープに対する捉え方やフレーミングがフリードリヒのそれによく似ている気がして、現代にも通ずるルーツを発見したような驚きがあった。ソスの作品へのアプローチに、美術館キュレーターがその名を挙げて確かめたのは必然な気がする。

▶︎ 展示鑑賞ログ2022

先日、「Wintertag」シリーズに関して、北欧の出版社からあるご提示を頂き、ひとつのゴールに向けてシリーズを改めて見直したり、貴重な機会を通じて新たなノウハウも色々学べていけたらと思っています。