Research: Local spring water ♯02

I focus on folklore and legends as the starting point for my research on local springs, followed by geological and hydrological studies. At this site, a water deity is enshrined with a handmade torii gate. Due to the wetlands formed by the fault line spring, the source remains difficult to approach. The presence of fallen trees further defines the area as a sacred, demarcated space.

Side A
地元周辺に段丘面と段丘崖と平地から成る地形的起伏に富んだ公園があり、段丘面では縄文土器が出土、縄文時代の竪穴式住居跡が残る国指定史跡となっている。段丘崖の木々に覆われた小さな神社には水の女神が祀られている。神社周辺の平地は湿地となっていて、山間の観光地の湿原のように木道が設けられている。野鳥の囀りが終始聞こえ、木道の下では草木の間をさらさらと清流が流れている。湧水(ゆうすい)の流出口は段丘崖の人目につかない森の中にあり、公園内とはいえ無闇に近づこうとすると水を含んだ地面に足をとられてしまう。湧水周辺に共通するのは聖域との境界のような数々の倒木。森羅万象のすべてに神が宿るとされる日本信仰、この湧水の流出口には手製の小さな鳥居が置かれている。湧き水リサーチで訪れる場所の周りは住宅地なのだけれど、日常から異なる時空へ旅するように、私は常に登山用手袋と膝までの長靴を着用している。ここは絶滅危惧種のホトケドジョウの生息地。湧き水遺跡はほぼ例外なく、特定の季節にホタルが舞う。

 

Starting this April, I will be joining the ‘Association for Passing Down Regional Heritage’, a branch of the local tourism association, where I currently serve as an associate member. Additionally, starting in June, I will begin a training program to become a certified ‘Cultural Property Research and Outreach Fellow’ for the city.

Side B
ノンフィクションよりもフィクションの創作物語を好む自分は、地元の湧き水に関して地質学や水文学の観点よりも先に、伝説を調べることから始めている。参考図書は地元の故人の郷土史家による1978年刊行の絶版本、市内の『民話伝説集』。客観性を重視した資料が市史ならば、伝説集は語り部の主観性の書物、かつての市長の寄せ書にそう記されていた。市史も伝説集も発掘調査のように労力と年月を費やして隈なくリサーチしながら纏められたもので、それら書籍は登録/未登録、指定/未指定を問わず有形文化財と言えるはず。そんな絶版本の『民話伝説集』を図書館で借りて、必要な章のみ丸ごとコピーして返却。コピーした一頁一頁を見開きの新書サイズに裁断して山折りし、自家調合した製本糊で日本の伝統色が施された美濃和紙をボール紙に貼り合わせて表紙と裏表紙を作り、麻糸で糸綴じして和装本のように自家製本した。「オリジナルよりいいじゃない」と観光協会の下部組織・地域遺産を未来につなぐ会の副会長がコピーの手製本を手にとりながら「この本、復刊させたいね」と仰った。別日に自治会三役とお顔を合わせた際、地元の偉人の著作権や出版権の問い合わせ先を相談したら、すぐに有益なアドバイスを得られた。たとえその先のゴールまで辿り着けなくても何らかの契機に繋がったら嬉しい。

*参考文献:『文化財の未来図〈ものつくり文化〉をつなぐ』村上隆

 

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