The Wall

Handmade book: The Wall
A quarry providing stone for the walls of Edo Castle (now the Imperial Residence) 400 years ago.
Places: Cape Manazuru, Mount Hakone and Edo Castle
28 photos, 60 pages, 182 x 230 mm, B5 variant format
A description of this photo series can be found here.

Cover: Mino washi paper in traditional Japanese colors glued onto cardboard
Body: Awa washi Inbe thin white paper 70 gsm, Mino washi paper and tracing paper
Binding: Japanese four-hole binding, white hemp yarn
Typeface: (alphanumeric) Minion, (kanji + kana / vertical text) Hiragino Mincho

Photographs, text and design by Masato Ninomiya
Translation of text on pp. 6 and 56 by Michael Normoyle and Yoshiko Furuhashi at M&Y Translations, Rotherham, UK

◼️ News
This book will be exhibited at the “People by TS. Photo” booth hosted by Takashi Kato and others from Terrace Square Photo at the 14th edition of TOKYO ART BOOK FAIR (TABF), to be held at the Museum of Contemporary Art Tokyo from November 28, 2024 to December 1, 2024. Please come and see the sample copy.

本書は11月28日(木)から12月1日(日)まで東京都現代美術館で開催される第14回TOKYO ART BOOK FAIR (TABF) にて、テラススクエア・フォト加藤孝司さんらによる「People by TS. Photo」ブースに出展させて頂けることになりました。見本をお手にとってご覧頂けます。よろしくお願いします。

 

“People by TS. Photo” booth at the MOT art museum

追記: ブースの片隅に手製本を置いてくださった加藤孝司さん並びにテラススクエア・フォトの方々に改めて感謝します。会場でお手にとって見て頂いた方々もありがとうございました。そして、会場での七年ぶりの再会にも感謝。

 

Work in progress: Handmade book

Making a handmade book | The Wall (1’37”) メイキング動画

和製本チャレンジ。恥ずかしいけれどビデオは本の試作過程、本の全容は後日投稿します。徳川秀忠の江戸時代、江戸城の城壁に石材を供給していた神奈川県真鶴岬の採石場に関する写真シリーズ「The Wall」を江戸時代の製本スタイルのように和紙+四つ目綴じ(和綴じ)で自家製本しています。

拙いですが、表紙と裏表紙は着物の重ね着や重ね衿からヒントを得て、Less is moreやわびさびのような誇張しないアクセントのつもりで、日本の伝統色が施された美濃和紙をドイツ装のようにボール紙に貼り合わせています。白黒写真をプリントした用紙は阿波和紙。今回使用したのは展示などよりも製本に合いそうな、白すぎず非常に手触りの良い、麻が漉き込まれているもの。江戸時代、江戸城の近くの八丁堀には阿波徳島藩の江戸屋敷があったそうで、徳川幕府は徳島藩に阿波和紙の産業化を命じたらしい。父の故郷は高松と徳島、母の故郷は東京下町(江戸城の城下町)、自分自身は東京出身の神奈川育ち。この本には間接的に自分のルーツを重ねつつ、江戸=徳川家の家紋のモチーフとなった日本固有種の双葉葵という植物の写真だけは、消えゆく絶滅危惧種なので、シルクスクリーン印刷ふうの加工を施して具象性を薄めています。

参考文献: 『配色事典 応用編』和田三造、『江戸 平安時代から家康の建設へ』齋藤慎一、小説『隅田川暮色』芝木好子

 

Incandescent zine

One of my favorite zine ‘Incandescent’. It is curated and produced in Portland, Oregon by Pine Island Press. I made some videos of Incandescent (Issue 7, 10, 12, 16, and 17). Check out my YouTube playlist or Vimeo showcase. Thank you for the permission, founder Helen Jones. I hope Incandescent continues.

昨年掲載されたアメリカ・ポートランドのIncandescent zine。休刊と一年後の再開に向けたアナウンスを読んで、創始者Helenさんから許諾を得て、これまでに刊行されたものの中から手元の5冊を動画化、ビデオ・アーカイブを作ってみました(上記サムネイルをクリックすると動画ファイルが切り替わります)。

 

2011年、マサチューセッツ芸術大学出身のHelen Jonesさん等がアメリカ・ポートランドでインディペンデント・パブリッシャーPine Island Pressを創設。年二回刊行されるPhotography zine Incandescentは、掲載作家作品の他にも毎号招聘される序文のライターやアメリカらしいタイポグラフィ、パイナップルの形をした島のロゴもポイントで、サブミッション・フィーを取らずスポンサー広告収入も得ず、時にはアートブックフェアに出展しながら、あくまでもzineの売上を次号の制作費に充当する運営を貫かれていました。10年間で約50ヵ国350名を掲載、日本人掲載者は3名で、そのうち1名はギャラリー契約作家だったと思います。

▶︎ Incandescent will be taking a hiatus,

「10年間で印刷コストは倍になりました」という箇所から、パブリッシャーの立場ではありませんが、書籍化におけるサステイナビリティ(持続可能性)をアメリカの助成金以外で自分も少し考えてみたいとも思いました。YouTubeVimeoに置いた動画は、ワールドワイドに開かれている文化のひとつをシェア出来たらという思いと、ソールド・アウトになった場合は入手出来ないので、そのためのアーカイブのつもりです。ソロではなくアンソロジー形式の冊子ですが、アートブックショップのオーナー様などもチェックして頂けたらと心の内で願いつつ。

*発行部数は毎号約200〜250部。初期のものはソールド・アウト、Issue 10+12はalmost sold out!とのこと。

 

▼ 掲載者一部紹介 | Representative contributors
Issue 7: オランダ | In a clearing | のかつての創始者のひとりJordi Huisman、他。 Issue 10: スペインのJM Ramírez-Suassi写真集「One Eyed Ulysses」刊行前に掲載、他。Issue 12: シカゴのフォトジャーナリストJ.Daniel Hud、ドイツ出身の写真家兼デザイナーJens Windolf、他。Issue 16: NYのGoldenrod Editions創始者Roslyn JuliaIn Conversation Withの創始者でロンドン芸術大学出身のドキュメンタリー・フォトグラファーMichaela Nagyidaiová、他。Issue 17: Anywhere Blvdの創始者・南カリフォルニアのRhombie Sandoval、僕の「LITE」から一枚など。

 

Tokyo 2020 zine

Photographs, Text and Layout by Masato Ninomiya
Translated by Michael Normoyle and Yoshiko Furuhashi at M&Y Translations

Paper: ARAVEAL snow-white (TAKEO Co.,Ltd)
Print on demand (laser print) / Saddle stitch binding
Printing and binding by Graphic Corp. (Kyoto)

57年ぶりのオリンピック東京大会の年とコロナウイルスによるパンデミック。Photozine「Tokyo 2020」を作りました。オフセット印刷のようなクリアさや解像感と比べると、オンデマンドのレーザープリントは画像部分が少々粗くベタッと沈みがちになるのかな?と以前入稿したものでも思ったのだけれど、そんな中、オフセット印刷用ファインペーパーで好きなのはヴァンヌーボ、ミスターB、アラベール。今回は手触りと凹凸感の好みでアラベールを使用しました。紙の「流れ目」も指定した上で裁断してもらう竹尾のインクジェットペーパーを用いて、他のものなどは自家製本してみたいとも思っています。

 

Group zine


「zineというものを知っている?」。13年前の2008年、印刷出版大手に勤務する友人からそう聞かれたとき、「ジン」という言葉はまだ身の回りでは聞き慣れないものだったように思います。当時その友人と都心をぶらつき、僕は林央子さんによる『here and there』という本をブックショップで手に取りました。ホンマタカシさんなどが参加されていて、それは写真に特化したものではなく様々な記事が収められているアート誌、グラフィックデザイナーによる先鋭的な試みなども形にしているインディあるいはzineならではの刊行物でした。

 

*Video: Goldenrod Editions (New York) first group zine issue 01

当時もうひとつ、写真に特化した『All things ordinary』というアメリカL.Aのグループzineを購入。それは当時、世界的流行でもあったガーリーカルチャーに沿ったキュレーション傾向でしたが、表紙写真と掲載アーティストのクレジットにはBryan Schutmaatの名もありました。

グループとは、チームやメイトとは少し違って、コンセプトを基に選りすぐる枠。欧米各国のグループzineは、毎号世界中から作品を公募して、その都度選考した作家作品を紹介するもの。日本のグループのようにいつも同じ顔ぶれということはありません。グループzineの楽しいところは、ページを捲りながらこの作品良いなと新たな作家を知るきっかけになったり、知る人ぞ知る作家がここに!と発見できたりすることです。きっと、常に新しいアーティストを探しているキュレーターやエディタなども購買層に含まれているのではないかなと想像します。いずれにせよ、アメリカ発祥のzineというメディアの特徴は、雑誌のように広告収入を得ておらず、商業目的ではないところで、そうしたインディの文化を支えているもののひとつは、日本にはない国からの助成金かもしれません。

ちなみに、海外のあるイラストレーターが、大きな「Magazine」、中くらいの「zine」、小さな「ne」とユーモラスにイラスト化していたのがちょっと面白かったです。

 

Goldenrod zine Issue 01

I’m happy to be featured in the first group zine issue 01 of Goldenrod Editions. Thank you to Roslyn Julia and Grace Tyson for selecting my work.

Curated and produced in New York, US by Goldenrod Editions
Founders : Grace Tyson and Roslyn Julia

5×7 inches / 114 pages / perfect bound
53 Artists / 99 color photographs
Edition of 100

US $20 Sold out ▶︎ Item description / Online shop

NYの写真家Roslyn JuliaとGrace Tysonが立ち上げたインディペンデント・パブリッシャー、Goldenrod Editions初のGroup zine、Issue 01がいよいよ完成して「Wintertag」シリーズのサブシリーズ「The misty road」から二点、見開きで掲載されました。コロナウイルスによるNYのロックダウンにより約一年遅れてのリリース。そして本はニューヨークからオーストラリアを経由して届きました。とても困難な状況の中、RoslynとGraceに感謝です。オンラインショップでの販売価格は$20となっています。よろしくお願いします。

 

本が完成した際に連絡があり、そのお礼のメッセージをRoslynに送ったところ、「あなたのページはこんな感じ」と片手で本を開いた写真と、「これも送ってあげる」と上記の原稿のコピー画像をくれました。直後に「ヒューイゴー!」と言われ、背中を押されるようにソーシャルアカウントへ投稿した次第です。本が手元に届いた際には複数部同梱されており、「背表紙にちょっと傷があるのを余分に入れといた。売り物のストックには含められないものだけど、傷はたいしたものじゃない。だからそれは、日本のお友達に自由に配って!」と、そんなRoslynに感謝。

(Book images ©︎ Goldenrod Editions)

 

Incandescent issue Seventeen

I’m happy to be featured in Incandescent issue Seventeen. Thank you to Helen Jones, Editor at Pine Island Press and Marissa Csanyi.

アメリカ・オレゴン州ポートランドのインディペンデント・パブリッシャー、Pine Island PressによるIncandescent issue 17に「LITE」から一枚掲載されました。$14となっています。よろしくお願いします。

Incandescent issue 17 / Spring 2020
Curated and produced in Portland, US by Pine Island Press
Editors : Helen Jones and Marissa Csanyi
Copy Editor : Jeff Maceyko
Contributing Writer : Tasha Bjelić
57 pages / color 6.5 x 8 inch
On demand print / Perfect bound
First Pressing of 200

▶︎ Pine Island Press: Online Shop

 

Contributing Photographers: Christine Armbruster / Carmen Colombo / Leda Costa / Sonia Goydenko / J Houston / Jack Hulbert / Eric Kaczmarczyk / Mario Karlovcec / Jocelyn Keays / Kyle Lang / Rafael M. Milani / Masato Ninomiya / Rhombie Sandoval / Zhidong Zhang

 

Borderland

America in Kanagawa | There are dotted with US naval facilities in Kanagawa where I live. Of these US Radio Transmitting Facility Kamiseya in the suburbs of Yokohama was drawn off and the land was returned in 2015. The site area was 242ha. Cherry blossoms were planted along the surrounding highways as a sign of friendship. This part of the square opened to the public during the first week of April, despite the former border fence, the crossing is still prohibited. It is planned to attract an International Horticultural Exhibition which will be held in 2026, on the site of this US naval facility. After that, there is a plan to build a big theme park. The purpose of this photo series is to record one part of the history of Japan and the history of Kanagawa where the landscape will soon be reborn. This series is an ongoing project, which started in April 2019

 

Borderland」について。映画「この世の外へ クラブ進駐軍」のように、米軍基地に勤務する職員向けにジャズ演奏するクラブが神奈川で生まれ、それがのちに芸能界の誕生となったエピソードは有名かもしれません。横浜郊外・元米海軍通信施設の敷地面積は東京ドーム51個分。2015年に土地返還されたその敷地は、戦後アメリカに接収されたアメリカの領地でした。かつての国境、有刺鉄線内は今も立入禁止ですが、かつて友好の印として植樹された桜が満開になる四月の第一週には元ヘリポート広場が一般開放され、今では県内有数の桜の名所となっています。2026年、国際園芸博覧会の誘致に伴う土地再利用計画が具現化すると、そう遠くないうちに生まれ変わるはずの風景。それを記録していく試みです。今年新たに元号も変わる中、今後変貌していく風景を戦後日本の歴史のひとつとして+神奈川の中のアメリカ。

追記: 元米軍施設の土地再開発計画には、周辺の桜並木を伐採するプランも含められているようです。そして、将来はテーマパーク建設も計画されているようですが、この敷地には日本の国鳥キジが多数生息しています。もうひとつ、盗難に遭うのか英語標識が徐々に姿を消しています。「Borderland」にその前後の光景を追加したように、上記一枚目の「DWI (Driving While Intoxicated)=飲酒運転禁止」の標識は2021年の時点ですでに存在しません。

*一部、周辺地権者の方やガードマンの方にお話をお伺いしながら撮影しています。現役米軍施設の場合許可なくカメラは向けられません。

 

issuu: “Borderland Vol.01” 148mm x 188mm, 32 photos, 60 pages

 

International Photography Grant 2019

International Photography Grant | Winning Certificate

Winning Certificate: “This Winning Certificate is Awarded to Masato Ninomiya [NOMINEE]. In 2019 Edition of International Photography Grant. Awarded Project : Wintertag (Landscape). London, United Kingdom. November 3rd, 2019” / I am glad my photo series “Wintertag” is nominee at International Photography Grant 2019 in the landscape category.

UKのフォトコンペティションInternational Photography Grantに、2014年から冬期に継続している「Wintertag」シリーズでエントリーしました。今年8月に提出し、11月3日に通知された結果はランドスケープ部門の「NOMINEE」入選。ウィナーにはなれませんでしたが、エントリーするにあたって、ネガフィルムの再スキャン、構成の見直しやステートメントの校正など、今年3月以降に取り組んできた事前準備が自分にとっては有意義でした。上記写真は主宰International Photography Magazineから発行された証明書です。IPGのコンペティションにはアメリカfeature shootやイタリアURBANAUTICA、イタリアLandscape Storiesなどが協賛、審査員を務められています。準備の整い具合と、また機会があったら挑戦してみたいと思います。

IPG 4th Edition, Winner’s Gallery: [Landscape : NOMINEE] Wintertag by Masato Ninomiya

 

issuu: “Wintertag” B5, 37 photos + Text / incl. Sub-series “The Misty Road”

 

Eyescape Magazine

My picture featured in Eyescape Magazine special issue CONNECTIONS (P34). *Browse it on Issuu.

海外インディのアート・プロモーション&セルフ出版プロジェクトEyescape Magazineの “CONNECTIONS” に「LITE」から一枚掲載されました。Michael Wagenhäuserさんの作品とペアになり、見開きで対となるイメージです。他にも、Niall McDiarmidRob StephensonAnna Paola Guerraなど、計46名の写真家作品が掲載されています。Issuuでご覧頂けます。よろしくお願いします。

 

issuu: EYESCAPE MAGAZINE – CONNECTIONS (52 pages)