Pleasures of life

「婚姻届を役所に提出する日に写真を撮ってほしい」Murauchi BMWアフターセールス部の加藤さんから電話を頂いたのは、国道246号線を都心方面に車を走らせていたときでした。ハンズフリーでカタコトに会話する中、加藤さんは「結婚することになりまして」と言い、その日のうちに改めてきちんと顔を合わせてお話を聞こうと思いつつ、結婚式の定型的な写真ではなく、入籍日にスナップ的な写真をという依頼に早速想像を巡らせました。
*This work : Request from Takayuki Kato. Takayuki and Ai, getting married.

 

東京・渋谷川の脇に建つ雑居ビル内に、隠れ家的なカフェがありました。かつて写真仲間の友人が教えてくれたお店で、都心のど真ん中にありながらも喧騒を離れて会合するのにちょうど良く、仲間内で度々利用していました。3年前、都市再開発で店舗の立ち退きが決まったとき、オーナーさんのご厚意でそこで小さな展示をすることになりました。そんな展示期間中のある日、店内で僕の名を呼ぶ声がして目を向けると、そこに加藤さんがいました。普段、車のアフターメンテナンスでお世話になっているとはいえ、なんと愛さんを連れてプライベートで見に来てくれたのです。その日、僕はお二人の記念写真を撮りました。それがお二人のほぼ馴れ初めの時期で、お二人並んでの初めての写真だったのだそうです。

 

お二人の入籍日は、午前中に愛さんの地元でお二人の日常の様子を写真の中で再現、かつ、僕からの祝福メッセージとして演出した写真を撮りました。午後は孝幸さんの地元に移動。婚姻参りと市役所での手続きの模様を撮影。時間を巻き戻すと、加藤さんから依頼があったその日に打ち合わせ、後日ロケハン、撮影プランやアイデアと当日のタイムスケジュールを資料にして、改めて加藤さんにご提案しました。入籍日はそれに基づいて行動。納品物は加藤さんからのご希望で、ネガスキャンした画像データを用意。それと同時に別途アウトプットを制作して、それはお二人にプレゼントしようと思っていました。

お二人の入籍日撮影の結果は、こちらで見られます | 14 photos.

加藤さんとの普段の関係はB2Cで僕は客です。今回はC2C。天満宮で撮影申請させて頂いたときの宮司さんのお言葉に、加藤さん愛さんとの出会いと、この日に至った経緯に改めて感謝しました。今回の撮影では、事前に敷地の使用許可を頂いた津久井湖畔の企業オーナー様からも同様なお言葉を頂き、また、市役所では職員の方々が総出でご協力してくださり、自分にとっても他にない特別な1日になりました。以下、天満宮で宮司さんから頂いたお言葉です。「スタジオさんや、ご商売をされているところが企画として、というのはよく聞くことかもしれませんが、個人間の友情や信頼でこのような機会にお願いし頼まれ、というのはあまり聞いたことがありません。是非、撮ってあげてください」