clair de lune

スティル・ライフの「雨崎」にも似た岬にはこの日は行けなかった。横浜から京急に乗り、終着駅からはバスに乗って古い付き合いの木管五重奏団の拠点・三浦半島へ向かった。その日は乗り換える度にふーっと深呼吸した。空気が特別美味しいと感じたわけではない。都心へ出るよりも遠いけれど県内だからいつもの空気。昨年までは車だった。特定周波数帯に難がある難聴側の左耳に耳栓をして、電車内で発作が起きないことを願って、キャリーにカメラバッグをセットして、アンソニー・ドーア「すべての見えない光」の代わりにピアノ譜をその中に入れた。二ヶ月かけて読み終えた本とその関連音楽と、メニエール病日記。

Continue reading

met up in Ebis

*写真は今年1月に立ち寄った恵比寿AALAAP LENE WAALA。

4月初旬、約15ヶ月ぶりに三人(動画ログ : 46秒)で集まった。そこにもう一人が来れていたら一堂に会するのは10年近くぶりだった。恵比寿めぐたまで久しぶりの放課後のような時間の中、その席上で別途、グラフィックデザイナー+写真家・岡野康史さんが石川直樹WSに通われているらしいという話も聞き、岡山から高松に行かれているのかなとか、昨年と一昨年の高松への道中で連絡でもすればよかったと思った。4日後、それを見透かしたように岡野さんから連絡が来てびっくりした。2010年のポートフォリオ・レビューで席が隣同士だったご縁。プラウベルマキナを購入されたと聞いて、このご時世にマキナユーザーがひとり増えたことも嬉しかった。フィルムに回帰とかメジャー作家の影響よりも機材やフォーマットの選択肢のひとつかな?と思った。

Continue reading

HIKARI

写真は伊豆大室山、Rollei 35 SE。先日、本が自宅に届いた。アンソニー・ドーアの「すべての見えない光」、表紙はロバート・キャパ/マグナムフォトだった。送り主からの一文も添えられていた。タイトルを見て、昨年夏の小豆島、Gallery KUROgOと映画「光」、見えなくなる光と希望の光、それと島で出会ったデザイナーから聞いた「光」の導きのようなエピソードも連想した。それに似た難聴への励ましに本の送り主へお礼のメッセージを送った。「帯が池澤夏樹だったらしい!」との返信に驚いて本を確かめた。スティル・ライフのチェレンコフ光の次は藤井光さんの訳本。そんな偶然?!にも感謝してゆっくり読もうと思った。

*写真 : photo series/story “A life alive | 終の住処” より

 

deja vu

ヤー・チャイカ、ヘルシンキ、スティル・ライフ。突発性難聴になった昨年12月以来、視界も狭くなる感覚。意外と聴覚がセンサーを担っていたような気もする。猫のように。神経の腫れ、閉塞感、耳鳴りと痛み、片方の音が聞こえないことよりも、気配を誤る。体の外の。そんな中、心の置き場所のように池澤夏樹さんの本を繰り返し読んでいます。「スティル・ライフ」は20年ぶり、もっと早く読み返せばよかったと後悔。これは、昨年足を運んだ写真展とも偶然重なる話など、三つの小説の読後ログ。

Continue reading

at POST BOOKS

展示鑑賞ログが続く。11月23日、都写美から1年ぶりのPOST BOOKSへ。高倉千鶴さんのご友人、滝沢広さんの「AVALANCHE/DUAL」。岩や雪山をモチーフとしたテクスチャー、制作時に発生した凹凸やノイズを残し、それらがテーマや表現上の意図を持ち始める現代アート。写真新世紀のときのエピソード、アメリカでプロファイリングを学んだお話の他、個人的にアーティスト・ステートメントを置かなかった理由などもお尋ねして、コンセプチュアルな発想を色々とお聞き出来たことが楽しかった。滝沢さん、高倉さんご両名に感謝です。その後、Taさんと僕はPOSTから昨年末と同じ夜道を歩いて写真集食堂めぐたまへ。今年もあと1ヶ月。

*Ref. 現代アーティストのアートワーク紹介プラットフォーム・parapera | Vol.13 Hiroshi TAKIZAWA

 

at topmuseum

11月23日、Taさん(左)の呼びかけで、フォトグラファー・高倉千鶴さんと都写美会合。長島有里枝「そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々」、TOPコレクション「シンクロニシティ | 平成をスクロールする 秋期」を鑑賞。長島有里枝さんは写真もインスタレーションも母になっていた。シンクロニシティは米田知子さんを始め、錚々たる作家作品に見所満載。後者は図録も購入。個人的には12月にも時間があれば「無垢と経験の写真」作家五人展に行ってこようと思っています。

 

A journey into Helsinki | in Futakotamagawa

11月15日の夜、fukuda hidekoさん (@deco_o : flickr / ig) とASAMI KUMIKOさん (@soreikea : flickr / ig) の海外スナップ旅写真展「Helsinki」スタバ玉川3丁目店へ。事前にご連絡を入れ、decoさんとASAMIさんが店内で待っていてくれた。初対面+閉店時間まで長居してしまいながらエスプレッソトニック1杯を飲みきらなかったことを反省しつつ、そこにそれがあったことをすっかり忘れてしまうような時間だった。

Continue reading

Minami-Nagasaki

一色真由美 × 小山奈那子「波の穂」、告知を見て二つの理由で観に行こうと思った二人展。9年前、奈那子さんが日芸在学中に開いた初個展以来の展示鑑賞、顔を合わせるのは4年ぶりだった。そして、ターナーギャラリーがある東京都豊島区南長崎は自分の出身地。二人展開催初日の7月29日、展示鑑賞と合わせて母方の今は亡き祖母の家の周り、トキワ荘通りも歩いた。

Continue reading

in Osaka

6月16日金曜日、大阪hitoto gallery。今回のインパクトはタイトルからだった。フライヤーのデザインは、タイトルの意図をタイポグラフィだけで見事に表現されているような美しくて強い印象だった。”めをつむってみる”、”see inside”との関連なども想像しながらギャラリーのドアを開けると、1年ぶりにお会いするこひやまさんのお顔には初めて見るヒゲがあった。小檜山貴裕 写真展「もうこわくて目があけられない」。

Continue reading

Bird watching

GW初日の覚書。「バード・ウォッチング」という写真集を最初に手にとってみた。都内で4ヶ月ぶりに友人と会い、彼は会うなり「(2月の)誕生日プレゼント」と言って、洋書の写真集を差し出した。「2冊あって、両方自分が欲しくて買ったものだからどっちか」と彼は付け加えた。都写美で3つの展示を観た後にお茶をしながら有難く手にとってみたその本の表紙には、マッカートニーという作家名が記されていた。ブラックバード…? ポール…? と思ってしまった自分は底が知れている。けれど、彼が興味を持つには理由があるはずで、それを探り当てるのが楽しみだった。

Continue reading